株主の皆様には、平素より格別のご支援・ご高配を賜り、厚く御礼申しあげます。
当社グループは、世界中の患者様に画期的な新薬を届けるという創業の志を胸に「日本発のグローバルCRO」の実現に向けて歩み続けており、積極的な国際展開によって欧米アジアでのプレゼンスを強化し、海外売上高比率の拡大を図ってまいりました。これもひとえに株主の皆様をはじめお客様や関係各位のご支援と、従業員一同の努力の成果であり、心より感謝申し上げます。
製薬業界は、生成AI等の先端テクノロジーの急速な浸透、開発環境のデジタル化・DXの加速、新興バイオ医薬品企業とのエコシステム形成など、構造的な転換を迎えています。同時にレギュラトリー環境の多様化や人材獲得競争の激化など、CRO業界に求められる役割も急速に拡大しており、市場環境も厳しさを増しています。当社グループは、この大きな変革の波にしっかりと対応し、先端テクノロジーの有効活用、グローバル人材基盤の拡充、顧客パートナーシップの深化を三本柱として、経営基盤の強化と競争力の向上に注力し、次期の回復と成長に向けて経営資源の最適配分を行ってまいります。
今後とも、株主の皆様には変わらぬご理解とご支援のほどよろしくお願い申しあげます。
AN INTERVIEW WITH KAZUHIRO HATANO
ニーズにマッチした開発戦略提案と確実な遂行により、新薬開発パートナーとしての信用を確固たるものへ
グローバルでの営業強化と効率的な開発提案により、確実な業績回復を目指す
Q. 第21期の総括をお願いします。
A. 連結売上高は前年同期比で減収となり、営業赤字も拡大するなど厳しい業績となりました。米国、欧州、豪州を含む大規模国際共同治験の受託内諾を得たものの、政府機関の閉鎖等の影響により治験開始が遅れ、欧米の売上が当初の計画を大きく下回りました。これまでおおむね順調に成長を続けていた米国事業にとって大きな逆風となりました。
一方、日本においては、ドラッグ・ロスが継続する厳しい環境にありながらも、前年同期比で増収となりました。加えて、中国及び台湾においても、国内外の製薬会社やバイオテック企業から複数の案件を受託しております。
各国の営業チームが密に連携し、複数拠点を横断したグローバル試験の獲得が増加しており、グループの重点施策として位置付けている「グローバル営業戦略の強化」の成果が表れていると考えています。変化の激しい市場環境に柔軟かつ迅速に対応できる営業体制の構築にも注力しており、より効率的な意思決定が可能となっています。
また、より複雑化する臨床試験に対応するため、専門人材教育の拡充やAI活用のための環境整備等を推進しました。これらの取り組みにより、より高品質かつ効率的な臨床開発支援サービスの提供を目指しています。
Q. 世界経済の混沌が続く中で、業界全体の動きをどのように見ていますか?
A. 世界経済は地政学的リスクやインフレ、為替変動など複合的な要因により不透明感が続いていますが、医薬品業界は依然として高い成長ポテンシャルを持っていると認識しています。特に米国市場ではバイオ医薬品企業による創薬が活発化しており、新規治療薬の需要が増加しています。当社でも大型案件を受注しており、これを足掛かりにさらなる事業基盤の強化に取り組んでいます。
日本市場では依然としてドラッグ・ロスの問題が存在し、規制緩和に向けた政府の動きが続いているものの、解決にはまだ時間がかかる見込みです。こうした状況下で、当社は創薬支援事業部において医薬品市場分析と開発戦略立案、規制当局に対する届出・相談等のコンサルティングサービスを行っており、欧米、アジアと連携して海外の新興バイオ企業の日本市場参入を積極的に後押ししています。
さらに、AIや分散型臨床試験をはじめとするデジタル技術が医薬品開発の効率化を加速させており、当社もこれらの技術を積極的に活用したサービス開発を進めています。最新のテクノロジーを取り入れることで、より高品質かつスピーディな臨床試験のデザインと運営が可能となり、こうした取り組みがグローバルな競争優位につながると考えています。
Q. 第22期の見通しについてお聞かせください。
A. 米国及び欧州では、遅延していた大型案件の開始が見込まれており、売上に大きく貢献することを期待しています。加えて、当社のデジタル技術活用による臨床試験効率化の取り組みも進展しており、付加価値の高いサービス提供により競争力強化を図 っています。日本やアジアにおいても、引き続き地域をまたいだグローバルな営業活動を強化し、新規案件の獲得や既存顧客との関係深化を通じて業績の回復を図ります。
一方で、日本におけるドラッグ・ロスの問題や、米国での規制強化、薬価制度をめぐる当局の動向など、市場環境には依然として注意が必要です。こうした厳しい市場環境においても、リニカルの強みであるお客様に対する細やかな対応を発揮し、新薬開発を着実に支えていくことが求められています。
加えて、経営体制の効率化による稼働率適正化や徹底したコスト管理を通じて経営資源の最適配分を図り、持続的な利益創出の基盤を整備することで安定した業績回復に向けた体制を強化してまいります。
Q. 最後に、株主の皆さまへのメッセージをお願いします。
A. リニカルは創立からStrongest CROを目指し、オンコロジーや中枢神経系、免疫領域の新薬開発を支え、グローバルCROとしての地位を確立してまいりました。こうした成果は、株主の皆様の温かいご支援と、社員一丸となった不断の努力の賜物であり、心より感謝申し上げます。
第21期は事業環境の変化や外部要因の影響により厳しい業績となりましたが、この状況を成長を取り戻すための機会と捉え、営業体制の強化や稼働率の適正化、コスト管理の徹底などを推進しています。これらの取り組みを通じて、第22期以降の業績回復を目指します。
私たちは、これまで培ってきた新薬開発・創薬支援の知識・技術をさらに磨き上げるとともに、AI等の新しい技術を組み合わせることで、新たな医療を切り拓く真のパ ートナーとして、今後も世界中の患者様やそのご家族に希望を届けるべく挑戦を続けてまいります。
株主の皆様におかれましては、引き続き長期的な視点でリニカルを応援いただけますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
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