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A MESSAGE FROM OUR CEO

2005年6月に、国内大手製薬会社で新薬開発に携わってきたメンバーとともにリニカルを創業してから、今年で20年を迎えました。世界中で新薬を心待ちにしている患者の皆様に画期的な新薬を届けたいという思いで起業し、「日本発のグローバルCRO」を目指して事業成長に邁進してまいりました。当初から積極的な海外展開を進め、欧米アジアで3度のM&Aを行い、現在では海外売上高比率が5割を超えるまでに拡大しています。これもひとえに株主の皆様をはじめお客様や関係各位のご支援と、従業員の努力の賜物であり、あらためて感謝申し上げます。

 

現在、製薬業界は、新興バイオ医薬品企業の台頭による創薬主体の変化、開発候補品を巡る国際的な獲得競争の激化、日本国内の薬価等医療費抑制政策の進展など、様々な変化に直面しています。加えてAIをはじめとするテクノロジーの発展もあり、CROをめぐる事業環境もまた急速に変化しています。こうした中、当社グループは、次期を将来にわたる安定的な収益基盤確立のための転換期ととらえ、米国を中心とした更なる海外事業の拡大、人材の確保・育成とAIなどのテクノロジーへの投資を行ってまいります。

 

代表取締役社長

秦野 和浩

AN INTERVIEW WITH KAZUHIRO HATANO

グローバルでの営業力を活かし、選ばれる真の医薬品開発パートナーへ

将来にわたる安定的な収益基盤確立への転換期

Q. 2025年3月期の総括をお願いします。

 

A. 最重要市場と位置付けている米国事業は、20184月に現地CROを買収してからおおむね順調に成長を続けており、当期も前年同期比で増収となりました。しかし、日本を含む他の地域では、大規模試験のキャンセルや遅延など様々な要因から売上が想定通りに伸びず、連結で減収となり、2005年の創業以来初の営業赤字となりました。日本でのドラッグ・ロスの深刻化や韓国での政治や医療の混乱による治験の遅れ、そして欧州では継続して紛争の影響を大きく受けました。コロナ禍の苦しい時期でも連結での黒字を維持していたため、大変悔しく思っています。しかしながら希望も見えており、当社が強みとして磨いてきた「日本発のグローバルCRO」というコンセプト通りの組織が出来上がりつつあります。特に営業面で、欧米アジアの各地域に拠点を持つ利点を生かし、各地の製薬・バイオ医薬品企業から、他地域を含むグローバル試験を獲得する実績が増加しています。

2024年7月には南半球初の拠点をオーストラリアに設立しました。同国にはバイオスタートアップ企業への優遇税制があり、初期フェーズの治験誘致に積極的です。顧客からの引き合いが増加しており、すでに日系企業等からの受注も獲得しています。豪州で第相試験実施後、欧米で大規模な第相試験を実施するケースも多く、大型案件の受注獲得につながる可能性も見込んでいます。こうした取組みにより、顧客企業にとって最適な開発戦略を提案・実行できるグローバルCROとしてのケイパビリティを一層強化していきます。経営体制においても、現地の人材を各地域の重要ポジションに任命すると同時に、日本から経営層を派遣して情報を集約し適切な経営判断を迅速に行える体制を構築しています。グローバルでの経営基盤をより強化することで、当期を底に次期以降の回復を見込んでいます。

 

Q.  世界経済が混沌としていますが、業界の動向をどうとらえていますか?  

 

A. 現在は大変不透明な状況ですが、長期で見れば、世界の医薬品市場は拡大し、それに伴いCRO市場も年々成長していくトレンドに変わりはないと見ています。中でも世界最大の医薬品市場である米国は、創薬主体が製薬会社からバイオ企業へ変化していることもあり新薬開発の中心地として重要性を増しており、ここでの規模拡大が今後の当社の成長に不可欠です。米国で人材の採用と育成を進めながら、早期に2度目のM&Aを実現し事業基盤を拡大していきます。一方、日本では海外で開発された医薬品が手に入らないドラッグ・ロスが深刻で、厚生労働省などが解消に向け規制の見直しを始めていますが、時間はかかると見ています。当社は創薬支援事業で、これから日本市場へ参入しようとしている国内外の製薬・バイオ企業に対するコンサルティングサービスを提供しています。これをフックに欧米の子会社と営業段階から連携し、海外企業を日本市場へ誘致する活動を継続していきます。

 

Q. 2026年3月期の見通しについてお聞かせください。

 

A. 市場環境は、日本や韓国、欧州で厳しい状況が続き、米国でも薬価引き下げや許認可当局(FDA)の人員削減等の影響を注視していく必要がありますが、当社グループは業績回復に向けて総力を挙げて取り組んでいきます。営業面ではグローバルで連携した活動を行うことで、欧米企業からアジア試験を、アジア企業から欧米での試験の引き合いを受けるなど、特定の地域に偏らずグローバルに展開する当社の強みが発揮されつつあります。業界全体が厳しい環境であるからこそ、お客様に最適なソリューションを提案し、真のパートナーとして試験を成功に導く力がCROに求められています。

当社がこれまで治験のプロとして数多くの難易度の高い新薬開発を担い、お客様の要望にきめ細かく対応してきた実績が評価されていると感じています。

さらに、この強みを磨くために必要な投資をしっかりと行っていきます。特にAIは、医薬品においては創薬段階で先行していましたが、臨床開発においても一部で活用が始まっており、将来の治験の在り方を大きく変えることは間違いありません。こうしたテクノロジーを使いこなし、お客様にとってベストな選択を提供できるCROが選ばれて生き残っていくと考えています。こうしたテクノロジーはやはり欧米が進んでいますので、欧米事業をアンテナにして、提携先の拡大や人材の育成を行い、中長期的な成長に向けた基盤づくりを進めていきます。

 

Q. 最後に、株主の皆さまへのメッセージをお願いします。

 

A. リニカルは202567日に創立20周年を迎えました。9名で設立したリニカルが、今や、グローバルに広がり、CROとして数々の新薬の誕生に貢献しています。それは、株主、関係各位の皆様方のご支援と、献身的な努力をしてくれてきたリニカルグループの社員なくして成しえなかったことです。心より感謝申し上げます。

リニカルは、世界中の患者様の幸せを追求するという理念のもと、オンコロジー、中枢神経系、免疫など、アンメットメディカルニーズの多く存在する領域での新薬開発を使命と考え、注力して取り組んできました。再生医療などの革新的な治療法が次々と誕生する中、リニカルも常に進化し、新しい医療を共に切り拓くパートナーとして挑戦を続けます。

今後も、これまで培ってきた知識と技術に磨きをかけ、世界中の患者様やそのご家族様に、希望を与える一助になれるように努力を続けてまいります。

株主の皆様におかれましては、引き続き長期的な視点でリニカルを応援いただけますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

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リニカルは創薬支援から、臨床開発、製造販売後の育薬まで一気通貫で医薬品開発を支援し、薬剤の価値最大化に貢献します。

01 業務に関するお問い合わせ

お客様にとって最適なご提案ができるよう、ニーズと目標を理解することから始めます。まずはお気軽にお問い合わせください。

02 ソリューションのご提案

ご依頼(RFP)をいただきましたら、お客様の治験デザインを最適化し、プロジェクトを成功へ導くためのソリューションをご提案いたします。

 

03 高品質なサービスの提供

リニカルでは社員一人一人が臨床試験のプロとして、新薬が迅速に市場に投入されることにコミットしています。高い品質で効率的に試験を遂行し、プロジェクトの成功に貢献します。

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